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ウサギの前庭障害 2026.04.11

【病態】
ウサギの前庭障害は、平衡感覚を司る前庭系に異常が生じることで発症する神経疾患です。主な原因としては内耳炎や中耳炎、エンセファリトゾーン感染、外傷、腫瘍などが挙げられます。特にエンセファリトゾーン・クニクリによる感染はウサギで重要な原因の一つです。前庭機能の障害により、斜頸、眼振、旋回運動、起立困難などの症状がみられます。重度の場合には自力での採食が困難となり、全身状態の悪化を招くことがあります。

【診断】
診断は臨床症状と神経学的検査をもとに行います。頭部の傾きや眼振の方向、意識レベルなどを評価し、末梢性か中枢性かの鑑別を試みます。画像検査としてX線検査やCT検査を行い、中耳・内耳の異常や腫瘍の有無を確認します。血液検査や抗体検査によりエンセファリトゾーン感染の関与を評価することもありますが、単独での確定診断は難しく、総合的な判断が必要です。

【治療】
治療は原因に応じて選択されます。細菌性の中耳炎が疑われる場合には抗菌薬投与を行い、エンセファリトゾーン感染が関与する場合には駆虫薬を使用します。あわせて、抗炎症薬による神経症状の緩和や、めまいによるストレス軽減、強制給餌などの支持療法が重要となります。転倒による外傷を防ぐため、安静で安全な環境を整えることも必要です。

【予後】
原因や重症度によって予後は大きく異なります。早期に適切な治療を行うことで改善が見られる症例もありますが、斜頸が後遺症として残ることもあります。中枢性の障害や重度の感染例では予後は慎重となります。治療後も長期的な経過観察と生活環境の配慮が重要です。

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