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【病態】
一般的にウサギの「うっ滞」と呼ばれる病態は多様な状態を指しますが、腸閉塞に続発して胃拡張を起こす症例は胃の穿孔、破裂などのリスクを伴います。
腸閉塞は主に毛球であることが多いですが、イナゴマメ、腫瘍、開腹手術後の癒着、カーペットの繊維、絞扼ヘルニアなどがその他の原因として報告されています。
それを防ぐため、当院では胃の減圧術としては麻酔下で経口的に内容物を除去する方法で対応することが多いです。
【診断】
レントゲンで特徴的な胃拡張のパターンを撮影することや、触診にて硬結感のある胃を触知することで行います。
また血液検査にて電解質異常や高窒素血症、高血糖などを確認することも診断の一助となります。
【治療】
内科療法を行いますがここでは経口の胃減圧に関して言及します。
麻酔がかかった状態で口から太めのカテーテルを挿入し、胃の内容物を除去しショック状態を改善させます。
腸閉塞を直接解除するわけではないので、減圧処置のみでは不十分な場合もあります。
【予後】
慎重に経過観察が必要で、何度か処置が必要になる場合もあります。
また腸閉塞が確認された場合は開腹手術にて閉塞を解除する必要がありますが、大部分の子は内科的に経過観察ができる場合が多いです。
当院での治療の開始が遅くなった子に関しては予後は悪い傾向にありますので、他院にかかられて治らない、など治療を開始している場合は必ず受付でその旨お伝えください。
この子は夜間に胃拡張と診断され、経口の胃減圧を行いました。
内科療法で改善する場合も多いため、判断のタイミングが難しいですがこの子は翌日に処置を行いました。
幸いこの子は1回の処置で症状が改善し、開腹手術に至ることはありませんでした。
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