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ウサギの肺膿瘍 2026.04.10

【病態】
ウサギの肺膿瘍は、細菌感染により肺実質内に膿瘍が形成される疾患です。主な原因菌としてはパスツレラ属菌、スタフィロコッカス属菌、ストレプトコッカス属菌などが関与することが多く、上部気道感染の波及や血行性の感染によって発生します。ウサギでは膿が粘稠で乾酪状になりやすく、被膜に包まれた膿瘍を形成するため、自然治癒しにくい特徴があります。進行すると呼吸困難、運動不耐性、食欲低下、体重減少などの症状がみられます。

【診断】
診断は臨床症状に加え、画像検査によって行います。X線検査や超音波検査により胸腔内の腫瘤性病変として認識されることが多いですが、胸腺腫や縦隔リンパ腫との鑑別が困難な場合があります。画像上では境界明瞭な腫瘤として描出されることがあり、単独の画像所見のみでの確定診断は難しいことがあります。必要に応じて細針吸引や生検を行い、細胞診や細菌培養により診断を補助します。

【治療】
治療は外科的切除が可能な場合には摘出が検討されますが、肺内病変であるため適応は慎重に判断されます。内科的には抗菌薬投与を行いますが、膿瘍内部への薬剤到達が不十分となりやすく、単独での治癒は困難なことが多いです。症例に応じて支持療法や長期的な管理が必要となります。

【予後】
本疾患は診断時には進行していることが多く、また外科的介入が難しい部位であることから予後は慎重となります。胸腔内腫瘤との鑑別が困難な症例も多く、確定診断および適切な治療方針の決定が予後に大きく影響します。早期発見と継続的な経過観察が重要です。

 

症例:8歳 ホーランドロップ 未避妊メス

3日前から食欲ないとの主訴で来院。検査では腎臓が悪く、肺に腫瘤が認められたため、抗生物質、ステロイドによる治療を行いましたが治療の甲斐なく亡くなってしまいました。この子のヒストリーでは胸腺腫、子宮腺癌の肺転移、肺膿瘍などが考えられましたが、呼吸状態と腎臓も悪く生前に積極的な検査を行うことができませんでしたが、肺の細胞診で肺膿瘍が疑われました。

呼吸が悪い、体調が悪くなってからの検査では確定診断すらつけることができないケースも多々あります。

当院では半年から1年に1回の画像診断を含む健康診断と若齢時の避妊手術をオススメしております。ご検討中の方はぜひご相談ください。

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