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ウサギの鼻涙管閉塞 2025.05.17

【病態】
ウサギの鼻涙管閉塞は、鼻涙管という目の涙を鼻腔へ排出する管が何らかの原因で詰まることで起こります。原因としては、慢性的な炎症、歯根の過長や歯の変形による圧迫、外傷、感染症などが挙げられます。鼻涙管が閉塞すると、涙が正常に排出されず、目から涙があふれたり、目の周囲が濡れて炎症や二次感染を引き起こしやすくなります。また、涙のうが膨らむことで痛みや不快感を感じることもあります。

 

【診断】
診断は、まず目の周囲の観察から始めます。過剰な涙液分泌や涙やけ、目の周囲の皮膚炎の有無を確認します。さらに、鼻涙管の通過性を調べるために、生理食塩水を涙点から流し込み、鼻腔側からの排出を確認する通液検査を行うことがあります。歯根過長が疑われる場合は、歯科レントゲン撮影やCT検査で歯根の状態を詳しく調べます。

 

【治療】
治療は、まず炎症や感染があれば抗菌薬や消炎剤を用いて症状を緩和します。鼻涙管の閉塞が軽度の場合は、通液や洗浄で改善を図ることができます。重度の閉塞や歯根過長が原因の場合は、歯の処置や外科的な介入が必要になることもあります。定期的な涙の洗浄や、目の周囲の清潔保持も重要です。

 

【予後】
予後は原因や治療の早さによって異なります。軽度の炎症や閉塞であれば、適切な治療により症状が改善し、生活の質も良好に保てます。しかし、歯根過長による慢性的な閉塞の場合は、再発しやすく、長期的な管理が必要になることがあります。適切な歯科管理と定期的な診察が、予後を良好に保つために重要です。

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