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チンチラのてんかん 2025.05.17

【病態】
チンチラのてんかんは、脳の異常な神経活動によって引き起こされる発作性の神経疾患です。原因は遺伝的要因、脳の先天的異常、頭部外傷、中毒、代謝異常、脳炎や腫瘍などさまざまです。発作は突然起こり、全身のけいれんや意識障害、よだれ、脱力、眼振などの症状がみられます。チンチラは比較的珍しいものの、てんかん発作を起こすことがあります。

 

【診断】
診断は、発作の様子を飼い主さんから詳しく聞くことが重要です。発作時の動画があると非常に助かります。身体検査や神経学的検査で他の神経疾患や内科疾患の除外を行います。血液検査や代謝検査、頭部の画像診断(CTやMRI)で脳の異常を確認し、てんかんの原因を探ります。ただし、チンチラでは高価な検査が難しいことも多く、臨床症状と除外診断で判断することが多いです。

 

【治療】
治療は主に発作のコントロールを目的として行います。抗てんかん薬としては、フェノバルビタールやベンゾジアゼピン系薬剤が使われることがありますが、投与量や副作用には注意が必要です。環境ストレスを減らし、規則正しい飼育環境を保つことも重要です。発作が頻繁に起こる場合は、獣医師と相談しながら薬剤調整を行います。

 

【予後】
予後は発作の頻度や原因により異なります。軽度で発作の間隔が長い場合は、治療で生活の質を保てることもありますが、重度のてんかんや脳の深刻な障害がある場合は、予後不良となることもあります。発作が激しい場合は事故や二次的な傷害に注意が必要で、継続的な管理と飼い主さんの観察が欠かせません。

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