TOP > 症例紹介
【病態】
ハムスターの切歯は一生伸び続ける性質を持つ常生歯であり、通常は日常的な咀嚼や齧る行動によって適切に摩耗され、一定の長さに保たれています。しかし、先天的な咬み合わせの異常や外傷による歯のずれ、さらには不適切な食事内容などが原因で、切歯が正常に摩耗されず、過剰に伸びてしまうことがあります。歯が過長になると、歯が湾曲したり、口の中の粘膜や対合歯に刺さったりして痛みを生じるようになります。その結果、食餌の摂取が困難になり、体重の減少や流涎、口の周囲の皮膚炎などの症状が現れることがあります。
【診断】
診断は、まず視診により切歯の長さや形状、咬合の状態を確認することから始めます。飼い主の方からは、最近食欲が落ちた、ペレットを残す、柔らかいものばかり選ぶ、よだれが増えた、体重が減ってきたといった訴えがあることが多いです。口の中を丁寧に観察することで、過長した切歯が舌や口腔粘膜を傷つけていないか、また歯の変色や破折がないかも確認いたします。必要に応じて、麻酔下での詳細な口腔内検査や、歯根の状態を確認するためのレントゲン検査を行うこともあります。
【治療】
治療は、過長した切歯を適切な長さに整えることが基本となります。軽度の場合は、無麻酔下で専用の器具を用いて切歯をトリミングすることが可能です。ただし、動物が暴れると危険を伴うため、必要に応じて麻酔を併用することもあります。また、歯根の異常や咬合異常が根本にある場合には、定期的なトリミングが必要となるほか、状況によっては問題のある切歯を抜歯する判断をすることもあります。あわせて、適切な咀嚼行動を促すために、飼育環境の見直しも重要です。
【予後】
予後は原因によって異なります。咬合不全や歯根の変形といった構造的な問題がある場合は、根本的な治療が難しいこともあり、継続的な処置や管理が必要になることもあります。定期的な歯のチェックと、食欲や体重のモニタリングを行いながら、適切な飼育管理を続けることが重要です。
![]() |
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|---|
9:00 - 11:00 | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 | |
15:00 - 18:30 | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 |
![]() |
受付時間 | 土日・祝日 |
---|---|---|
9:00 - 11:00 | 〇 | |
14:00 - 17:30 | 〇 |
※臨時休診の場合はお知らせ欄に掲載いたします。
copyright KIND VETERINARY CLINIC All Rights Reserved.