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【病態】
ハムスターの子宮疾患は、主に子宮内膜炎、子宮筋腫、子宮腺癌などが多く発生します。特に高齢個体では子宮腺癌の発生率が高く、10歳以上の雌ハムスターの約40パーセントに腫瘍性病変が認められたという報告があります。
子宮疾患はホルモンバランスの乱れや慢性的な炎症、遺伝的要因が関与しているとされ、発育した腫瘍や炎症が子宮の機能を著しく障害します。
【診断】
症状は腹部膨満、食欲不振、体重減少、陰部からの異常出血や膿性分泌物などが見られます。触診では腹部の腫瘤感が確認できることもあります。
確定診断には超音波検査が有効で、子宮壁の肥厚や腫瘤の有無、液体貯留の状態を評価します。さらに、悪性腫瘍の疑いがある場合は組織生検や病理検査を行い、詳細な病理診断を行います。
【治療】
炎症性疾患の場合は抗菌薬の投与が中心となりますが、腫瘍性疾患では外科的子宮摘出術が第一選択となります。特に子宮腺癌は周囲組織や腹膜への浸潤や転移を起こしやすいため、早期の手術介入が予後改善に重要です。
全身麻酔下での手術はリスクを伴うため、術前に血液検査や体調評価を十分に行う必要があります。
【予後】
炎症性疾患は適切な抗菌治療で改善が期待できますが、腫瘍性疾患では摘出のタイミングや腫瘍の進行度によって予後が大きく異なります。
早期に手術を行えた場合は回復が見込めますが、浸潤や転移が認められた場合の生存期間は数週間から数か月とされ、長期予後は不良です。術後は定期的な経過観察が必要です。
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