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【病態】
ヒョウモントカゲモドキは繁殖期になると卵胞が発達しますが、何らかの理由で排卵・産卵が行われず、卵胞が体内にとどまってしまう状態を卵胞うっ滞と呼びます。この状態が長引くと、卵胞が破裂して腹腔内に内容物が漏れ、腹膜炎や全身感染症を引き起こす危険があります。
【診断】
外見上では腹部が膨らんで見えることがあります。そのため、確定診断には腹部の触診や画像診断(レントゲン検査、超音波検査)が有効です。レントゲンでは、石灰化が進んだ卵は白く写りますが、卵胞段階では映らないことも多く、超音波検査で内部構造や大きさ、血流の有無を確認することが重要です。併せて血液検査を行い、炎症や感染の兆候、全身状態を評価します。
【治療】
軽度で全身状態が安定している場合は、適切な温度・湿度管理、栄養補給、産卵床の設置など環境改善を行い、自然排卵を促すことがあります。ただし、多くの場合は薬物療法や外科的治療が必要です。ホルモン剤によって排卵を誘発する方法がありますが、卵胞の成熟度や個体の状態によって効果が限られます。状態が悪化している場合や卵胞が長期間残存している場合には、外科手術による卵巣・卵管の摘出が推奨されます。
【予後】
早期に発見し、適切な治療を行えば回復するケースは多く、術後も健康に生活できることがあります。しかし、放置すると腹膜炎や敗血症を起こし、命に関わることがあります。繁殖を予定していない個体や、繰り返し卵胞うっ滞を起こす個体では、予防的な卵巣・卵管摘出が検討されます。また、日常的な観察で食欲や活動性、体型の変化に気づくことが、重症化を防ぐための第一歩です。
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