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フェレットの胃内異物 2025.04.25

【病態】
フェレットは非常に好奇心が強く、家庭内の小物やおもちゃ、布製品、ゴム製品などをかじって飲み込んでしまうことがあります。こうした異物が胃の中に入ると「胃内異物」となり、消化器の正常な働きを妨げてしまいます。特に若いフェレットに多く見られる傾向があります。またグルーミングにより飲み込んだ被毛も胃内で大きな毛球になってしまい、腸閉塞を起こすこともしばしばあります。

胃内異物は、胃の中で物理的に詰まることによって、食物の通過障害を引き起こします。その結果、食欲不振や嘔吐、便秘、腹痛などの消化器症状が現れます。また、異物が胃壁を刺激して炎症を起こしたり、まれに穿孔を引き起こすこともあり、そうなると命に関わる重篤な状態に陥ることもあります。

【診断】
診断は、まず問診と身体検査によって異物誤飲の可能性を疑うことから始まります。フェレットの食欲不振や嘔吐、便が出ない、元気がないといった症状がある場合には、胃内異物が疑われます。

確定診断のためにはX線検査や超音波検査を行い、胃内に異常な影があるかを確認します。飲み込まれた異物の種類によっては、X線では写りにくいこともあるため、造影剤を使った検査を追加する場合もあります。

【治療】
治療法は、異物の種類や大きさ、胃のどこにあるかによって異なります。大きい異物や腸閉そくを起こしているような場合には、開腹手術が必要となります。

術後の輸液や栄養補助も非常に大切になり、数日の入院を要します。

【予後】
胃壁に損傷や穿孔があった場合や、異物が長期間胃内に留まっていた場合には、感染や炎症が重度となり、命に関わることもあります。再発を防ぐためにも、誤飲を防ぐ環境づくりが重要です。小さな布製品やゴム製品はフェレットの届かない場所に保管するなどの配慮が必要となります。また毛球に対して、流動パラフィン製剤などで定期的に排出を促すことも非常に効果的です。

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