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フクロモモンガの自咬症 2022.04.21

【病態】

体の様々な部位で自傷行為がみられる。しっぽ、陰部、胸部などである。

自然界ではフクロモモンガは複数頭で生活する動物であり、単頭飼育でのストレスが原因になっている可能性が報告されている。

【診断】

問診、身体検査に基づき行う。

陰茎脱、肛門腺炎、皮膚病など自傷に至る基礎疾患の探査も必要となる。

【治療】

患部の止血、消毒、局所麻酔などで治療する。上述の基礎疾患の治療も並行して行う。またエリザベスカラーの装着も必須となる。

カラーによる採食不良がないかの確認も必要。カラーの装着は長期間に及ぶ。

【予後】

自傷の程度によりさまざま。直腸の自傷や総排泄孔の損傷があるものの予後は悪い。

 

紹介するのは2歳の雌のフクロモモンガです。

しっぽの付近を気にしているという主訴で来院。経過観察中に自分でしっぽをかじり取ってしまい、断尾の手術を行いました。

長期間カラーを装着して、管理していただいております。

初診の段階では外傷や肛門腺炎もなく、診断に苦慮した子でした。

オーナー様のご協力のもと術部の経過も良好でした。

 

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