カインド動物病院

症例紹介Case

アクセスはこちら

TOP > 症例紹介

犬の腹腔内陰睾(停留精巣) 2025.03.28

【病態】

陰睾(停留精巣)とは、通常陰嚢内に下降するはずの精巣が、腹腔内または鼠径部に留まってしまう疾患です。片側性または両側性に発生し、特にトイプードル、ポメラニアン、チワワなどの小型犬種で発生率が高いとされています。停留精巣は遺伝的要因が関与していると考えられており、繁殖には適さないとされています。

腹腔内に留まった精巣は、正常な陰嚢内の精巣よりも高温環境にさらされるため、精子の産生が抑制され、不妊の原因になります。また、腫瘍化のリスクが高く、精巣腫瘍(セミノーマ、セルトリ細胞腫、ライディッヒ細胞腫など)の発生率が上昇すると報告されています。

【診断】

視診・触診:陰嚢内に精巣が触知できないことを確認します。

超音波検査:腹腔内に停留している精巣を特定するために有用です。

【治療】

外科的摘出:精巣腫瘍のリスクを考慮し、停留精巣の摘出を推奨します。特に腹腔内陰睾は体内にとどめることで腫瘍化のリスクが高まるため、早期に去勢手術を実施することが望ましいです。

  • 開腹手術:従来の方法で、停留精巣の位置によっては必要になることがあります。

【予後】

手術を行った場合:一般的に良好で、術後の合併症も少なく、通常の生活を送ることが可能です。
未治療の場合:精巣腫瘍のリスクが高まり、ホルモンの異常分泌による皮膚症状や骨髄抑制(セルトリ細胞腫によるエストロジェン過剰)を引き起こすことがあります。また、精巣捻転を起こす可能性もあります。

【症例】

症例は8か月、オス、ボーダーコリー

去勢手術を希望し身体検査をしたところ陰嚢に精巣の下降がなく、超音波検査で腹腔内に精巣が存在していることが分かったため

開腹下にて停留精巣を切除しました術後も問題なく抜糸も終えました。

 

犬の停留精巣でお困りの方はご相談ください。

ページTOPへ戻る

copyright KIND VETERINARY CLINIC All Rights Reserved.