【病態】

肥大型心筋症は猫で最も一般的な心疾患で、偶発的に診断され投薬による治療を生涯受けるものから、突然呼吸困難に陥る症例まで様々なバラエティに富む疾患です。

【診断】

臨床的には左心室壁の肥厚を心エコーで確認することで診断となります。ほかにも血栓塞栓により冷感のある後肢や、聴診での心雑音の聴取、レントゲン検査での胸水や肺水腫の確認などでも診断ができます。

【治療】

どの段階で診断されたかで治療は異なりますが、無症状の場合生涯にわたる投薬が必要になるケースが多いです。肺水腫や胸水、血栓塞栓などの場合は心臓病の治療に加えて、肺から水を除去するお薬や血栓を溶かすお薬なども必要となります。

【予後】

無症状で発見されたケースでは定期的な検査と投薬で経過がいい場合が多いですが、肺水腫や血栓塞栓を発症してしまった場合は、予後は厳しいものとなります。

下記レントゲン撮影した子は全く別の診察で偶発的に心雑音が聴取されたため、レントゲンを撮影した結果、早期に診断・治療ができました。

これからも経過を注意してみていきます。