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イヌの膀胱炎 2025.05.17

【病態】
イヌの膀胱炎は、膀胱の粘膜や壁に炎症が起こる疾患で、その中でも細菌性膀胱炎が最も一般的です。細菌が尿道から膀胱内に侵入し、感染を引き起こすことが主な原因となります。特に雌犬は尿道が短いため細菌感染を起こしやすい傾向があります。その他、尿石症や結石、尿路の異常、免疫力低下、糖尿病などが膀胱炎の発症に関与することもあります。

 

【診断】
診断は、尿検査を中心に行います。尿中の白血球増加や細菌の有無を顕微鏡で確認し、尿培養検査により感染菌の種類を特定します。また、血液検査や超音波検査で尿路や膀胱の異常の有無を評価し、結石や腫瘍の除外を行います。症状としては頻尿、排尿時の痛みや血尿、尿漏れ、元気消失などが見られます。

 

【治療】
細菌性膀胱炎の場合は、感受性のある抗菌薬を用いた治療が基本となります。尿培養の結果に基づいて適切な抗生剤を選択し、通常1~2週間程度投与します。加えて、十分な水分摂取を促し、尿の排出を促進することも重要です。再発しやすい場合は、基礎疾患の治療や生活環境の改善も検討します。

 

【予後】
予後は一般的に良好で、多くのイヌは適切な抗菌薬治療により完治します。ただし、基礎疾患がある場合や治療が遅れると慢性化しやすく、再発を繰り返すこともあります。定期的な尿検査と健康管理を行い、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。

 

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