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犬の脾臓腫瘍 2026.04.19

【病態】
犬の脾臓腫瘍は、脾臓に発生する腫瘍性病変で、中高齢の犬に多くみられます。代表的なものとして血管肉腫、血腫、結節性過形成などがあり、良性と悪性が混在することが特徴です。特に血管肉腫は悪性度が高く、脾臓内で出血を繰り返しながら増大します。腫瘍が進行すると脾臓の被膜が薄くなり、わずかな刺激で破裂するリスクが高まります。破裂した場合には腹腔内出血を引き起こし、急激な循環不全に陥ることがあります。

【診断】
診断は臨床症状と画像検査をもとに行います。元気消失、食欲不振、腹部膨満、粘膜蒼白などがみられ、出血を伴う場合には虚脱やショック症状を呈することもあります。腹部超音波検査では脾臓内の腫瘤や腹腔内出血の有無を確認します。X線検査では腹腔内の陰影増加や脾臓の腫大が認められることがあります。確定診断は摘出後の病理組織検査によって行われます。

【治療】
治療の基本は外科的に脾臓を摘出することです。特に腫瘍の切迫破裂やすでに破裂している場合には、緊急開腹手術が必要となります。術前には輸液療法や輸血により循環状態を安定させ、全身状態を評価したうえで速やかに手術を行います。手術後は病理検査の結果に応じて化学療法を検討することがあります。

【予後】
予後は腫瘍の種類に大きく依存します。良性病変であれば摘出により良好な経過が期待できますが、血管肉腫などの悪性腫瘍では転移のリスクが高く、予後は不良とされます。破裂によるショック状態を伴う症例では周術期リスクも高くなりますが、迅速な外科対応により救命できる可能性があります。早期発見と定期的な健康診断が重要です。

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