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モルモットの不正咬合 2026.06.07

【病態】
モルモットの不正咬合は、切歯や臼歯の咬み合わせに異常が生じ、歯が正常に摩耗しなくなる疾患です。モルモットの歯は一生伸び続ける常生歯であり、咀嚼による摩耗が保たれなければ過長となります。遺伝的要因や加齢、外傷、カルシウム代謝異常、不適切な食餌などが発症に関与します。

モルモットはウサギやチンチラと比較して口腔が狭く、臼歯病変の発見が遅れやすい特徴があります。また、ハムスターやラットのような雑食性げっ歯類と異なり、粗繊維を長時間咀嚼することで歯の摩耗を維持しているため、牧草摂取量の低下が不正咬合に直結しやすい動物です。さらに、モルモットでは臼歯の歯冠延長だけでなく歯根の伸長も起こりやすく、顎骨や眼窩周囲へ影響を及ぼすことがあります。

【診断】
診断は身体検査と口腔内検査を中心に行います。食欲低下、体重減少、流涎、食べこぼし、硬い食物を避ける行動などが認められます。軽度の病変では切歯に異常がみられないことも多く、臼歯の評価が重要です。

口腔内の詳細な観察には鎮静や麻酔が必要となることがあります。X線検査やCT検査では歯根の伸長、顎骨の変形、歯槽骨病変などを評価することができ、治療方針の決定に有用です。

【治療】
治療は過長となった歯の切削による咬合の回復が基本となります。特に臼歯の異常が多いため、専用器具を用いて全体の咬合バランスを整えます。歯根伸長や顎骨病変が進行している症例では、複数回の処置が必要となることがあります。

また、再発予防には食餌管理が極めて重要です。牧草を主体とした高繊維食へ改善し、咀嚼時間を十分に確保することで歯の自然摩耗を促します。体重減少が認められる場合には強制給餌などの栄養管理も併せて行います。

【予後】
軽度の不正咬合であれば良好な経過が期待できますが、歯根伸長や顎骨病変を伴う症例では根治が難しく、生涯にわたり定期的な歯科処置が必要となることがあります。モルモットでは症状が現れた時点で病変が進行していることも少なくないため、定期的な口腔検査と体重測定による早期発見が重要です。特に食欲はあるのに体重が減少している場合には、不正咬合を強く疑う必要があります。

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