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【病態】
爬虫類の代謝性骨疾患は、カルシウム、リン、ビタミンD₃の代謝異常によって骨の正常な形成や維持が障害される疾患です。飼育下の爬虫類で最も多くみられる栄養性疾患の一つであり、不適切な紫外線環境、カルシウム不足、リン過剰の食餌が主な原因となります。
紫外線B波(UVB)の不足によりビタミンD₃の産生が低下すると、腸管からのカルシウム吸収が障害されます。その結果、血中カルシウム濃度を維持するために骨からカルシウムが動員され、骨の脆弱化が進行します。成長期の個体では骨格変形が起こりやすく、重症例では病的骨折や歩行障害を呈します。
【診断】
診断は飼育環境の聴取、身体検査、画像検査を総合して行います。顎の軟化、四肢の変形、脊柱の湾曲、歩行異常、振戦、食欲不振などが認められます。
X線検査では骨密度の低下、皮質骨の菲薄化、病的骨折、骨格変形などが確認されます。血液検査ではカルシウムやリンの異常が認められることがありますが、初期には明らかな変化がみられない場合もあります。
【治療】
治療では原因となる飼育環境の改善が最も重要です。適切なUVB照射環境を整備し、種に応じた温度管理を行います。また、カルシウム剤やビタミンD₃製剤の投与を実施し、栄養状態の改善を図ります。
骨折や重度の骨格変形を伴う症例では、外固定や外科的治療が必要になることがあります。治療には数か月以上を要することが多く、定期的な画像評価を行いながら管理を進めます。
【予後】
早期に発見し、適切な飼育環境へ改善できた場合には良好な経過が期待できます。しかし、重度の骨格変形や神経障害が生じた症例では完全な回復が困難なことがあります。特に成長期の個体では後遺症が残る場合もあるため、予防が極めて重要です。
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